≪宅建試験対策≫抵当権の優先弁済権の順位と順位の変更
担保物権の本試験出題頻度は毎年1~2問です。
物権は民法の中でも、最も難しいと言われています。
本試験合格を考えると、民法では14問中8問は正解しておきたいところです。
必ず出題されている「抵当権」を確実に正解するため、「抵当権」だけに絞って勉強することもありだと思います。
しかし、ほかの項目も絶対正解しておきたい分野の基礎知識になるため確実に合格したい人は学習しておくべきです。
抵当権の優先弁済権の順位譲渡と順位変更
「抵当権」とは、抵当権の目的物を抵当権設定者の元にとどめ抵当権設定者に使用・収益を許し、弁済がなされなければ抵当権者は抵当権を実行し目的物を競売にかけ、その代金から優先して弁済を受けることができる権利です。
抵当権は、ひとつの目的物に対して、複数設定することができます。
複数の抵当権が設定されている場合、抵当権者の中で優先弁済を受ける順位を決定する必要があります。
「優先弁済権」とは、債権者のうちのある者が、ほかの債権者に先立って弁済を受けることができる権利のことをいいます。
抵当権の優先弁済権の順位は、登記の前後で決まります。
抵当権の優先弁済権の順位の変更は、各抵当権者の全員の合意によってすることができ、抵当権設定者の合意は不要です。
しかし優先弁済権の変更をする際に、転抵当権者などの利害関係人がいる場合はその利害関係人の承諾が必要です。
毎年出題される可能性が高いのが「抵当権」です。
その中でも、抵当権の優先弁済権の順位についてはしっかり勉強した人じゃないと見落とす論点でもあります。
そもそもひとつの複数の抵当権を設定できるとは?
たとえば、BはAから3000万円借り担保としてB所有の甲土地に抵当権を設定しました。
その後、BはCから2000万円借りて、担保としてB所有の甲土地に抵当権を設定しました。
その後BはDから1000万借りましたが、抵当権は設定しませんでした。
AとCは、債権者・抵当権者
Bは、債務者・抵当権設定者
Dは、一般債権者
甲土地は、抵当権の目的物です。
このように抵当権は、ひとつの目的物に複数設定できます。
もし債務者Bが弁済できなければ抵当権の実行が行われ、優先弁済権の順位が高い抵当権者から弁済が行われます。
抵当権を設定していない一般債権者Dは、抵当権を設定して優先弁済権を有している抵当権者AとCに弁済し終わったあとに弁済されることになります。
優先弁済権とは?
「抵当権」とは、抵当権の目的物を抵当権設定者の元にとどめ抵当権設定者に使用・収益を許し、弁済がなされなければ抵当権者は抵当権を実行し目的物を競売にかけ、その代金から優先して弁済を受けることができる権利です。
たとえば、AもCもDもBに対して債権を有しており、債権者であるAもCもDもB所有の土地に抵当権を設定しています。
Bが弁済できず、抵当権も目的物である土地が競売にかけられました。
この場合、債権者であるA・C・Dは全員抵当権者なので優先的に弁済を受ける権利を有しています。
なので抵当権者の中で、だれから優先的に弁済を受けることができるか順位を決めなければなりません。
優先的に弁済を受けることができる順位を決め、優先弁済権の順位の高い人(1番抵当権者)から弁済を受けることができます。
ここで注意なのが、抵当権の実行の申立は優先弁済権の順位に関係なく、後順位抵当権者でもすることができます。
しかし、弁済を受けるのは1番抵当権者からです。
優先弁済権の順位の決め方
抵当権の優先弁済権の順位は、抵当権設定時期の前後ではなく、登記の前後によって決まります。
なので、抵当権設定が早くても登記しない間に、その後に抵当権を設定して登記を完了した人が、1番抵当権者になります。
民法373条
同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
抵当権の優先弁済権の順位の変更
抵当権の優先弁済権の順位は、各抵当権者の全員の合意によって変更することができます。
抵当権の優先弁済の順位を変更する場合は、抵当権設定者の同意は不要です。
なぜなら、抵当権設定者は優先弁済の順位が変わっても影響はなく、抵当権が実行されたら目的物を競売にかけ、弁済をしなくてはらならいことには変わりないからです。
たとえば、債務者Bに対して1番抵当権者Aが3000万円、2番抵当権者Cが2000万円、3番抵当権者Dが1500万円の被担保債権を有しています。
Aが「3番抵当権者Dと順位の変更をしたい!」といえば、A・C・D全員の合意によって順位変更をすることができます。
抵当権設定者Bには、順位の変更をしても影響はないため同意は不要です。
抵当権の優先弁済権の順位の変更をしたので、優先弁済を受ける順番が「D→C→A」になります。
各抵当権者が受けることができる弁済額を順位変更した場合としなかった場合にわけて具体的に見てみましょう
もし抵当権の実行があり目的物の競売され、目的物が4500万円で売却された場合
順位変更しなかった場合 | |||
---|---|---|---|
1番抵当権者の債権者A | 被担保債権額3000万円 | → | 3000万円回収できる 完済 |
2番抵当権者の債権者C | 被担保債権額2000万円 | → | 1500万円回収できる (500万円取りはぐれる) |
3番抵当権者の債権者D | 被担保債権額1500万円 | → | 回収できない |
順位の変更が行われると優先弁済を受ける順番が「D→C→A」になるので各抵当権が受け取れる弁済額は以下の通りになります。
抵当権変更をした場合 | |||
---|---|---|---|
1番抵当権者だった債権者A | 被担保債権額3000万円 | → | 1000万円回収できる (2000万円取りはぐれる) |
2番抵当権者だった債権者C | 被担保債権額2000万円 | → | 2000万円回収できる 完済 |
3番抵当権者だった債権者D | 被担保債権額1500万円 | → | 1500万円回収できる 完済 |
優先弁済権の変更をする際は、抵当権設定者の合意は不要ですが、転抵当権者などの利害関係人がいる場合はその利害関係人の承諾が必要です。
なぜなら、利害関係人が転抵当権者の場合その抵当権を担保としているので、順位変更があれば、転抵当権者の弁済を受ける額が変わるからです。
そして抵当権の順位の変更の効力は、登記をなすことによって生じます。
抵当権の優先弁済権の順位譲渡と順位変更のまとめ
ここでのポイントを下記にまとめました。
抵当権の優先弁済権の順位は、登記の前後で決まる。
抵当権の優先弁済権の順位の変更は、各抵当権者の全員の合意によってすることができ、抵当権設定者の合意は不要。
転抵当権者などの利害関係人がいる場合はその利害関係人の承諾が必要
具体的に順位変更した場合としない場合で弁済額の計算をしましたが、宅建試験では弁済額を計算させる問題は出ません。
計算はしなくてよいので、論点だけは押さえてください。
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