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≪宅建試験対策≫根抵当権とは?

 

担保物権の本試験出題頻度は毎年1~2問です。 

物権は民法の中でも、最も難しいと言われています。
本試験合格を考えると、民法では14問中8問は正解しておきたいところです。
必ず出題されている「抵当権」を確実に正解するため、「抵当権」だけに絞って勉強することもありだと思います。
しかし、ほかの項目も絶対正解しておきたい分野の基礎知識になるため確実に合格したい人は学習しておくべきです。

 

 

根抵当権とは?

 

根抵当権」とは、

  1. 一定の範囲に属する
  2. 不特定の債権
  3. 極度額の限度で担保する

ために設定する抵当権です。

 

付従性がないため、元本確定前に被担保債権が根抵当権が消滅せず、またお金を貸し債権を持つことができます。

 

極度額が決まっている=被担保債権の範囲が決まっている。ということです。

 

被担保債権の変更は、後順位抵当権者などの第三者の承諾なしですることができます。


根抵当権の極度額は、元本、利息、損害金も含めて担保されます。
利息の最後の2年分に制限されない

 

極度額の増額は、これらの利害関係人全員の承諾があるときに限って変更することができます。

 

元本確定前の根抵当権には、随伴性」はありません。

 

根抵当権の本試験出題頻度は3年に1度くらいです。

抵当権は毎年1~2問出題されますが、2問出題されたとき1問は根抵当権の可能性があります。

抵当権を確実に押さえることを前提に、根抵当権もついでに勉強しておきましょう!

 

 

根抵当権

 

根抵当権とは、「一定の範囲に属する」不特定の債権極度額の限度で担保するために設定される抵当権の一種です。

 

極度額」とは、設定契約にて定められた担保の限度額をいいます。

 

根抵当権は付従性がない、という点で抵当権と異なっています。

 

元本確定前の根抵当権には、随伴性」もありません。

 

被担保債権の特定をし返済金額を確定することを、「元本確定」といいます。

 

被担保債権」とは、弁済が担保されている債権のことをいいます。

 

抵当権と根抵当権との違い

 

抵当権が一般的に特定の債権を担保するために設定されるため、被担保債権がなければ設定できず、被担保債権の消滅により抵当権も消滅します。

 

このように、被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅することを「付従性」といいます。

 

たとえばに対する債務を担保するために所有の土地に抵当権を設定しました。その後、に債務の弁済が終了すれば、抵当権も消滅します。

 

なので、抵当権には「付従性」があります。

 

抵当権との違い、抵当権の図

 

しかし商売を営んでいる場合などは、金融機関との間で債権が発生したり、弁済によって消滅したりを繰り返すため、抵当権を設定してしまえばそのたびに設定と消滅を繰り返さなければならず、不便です。

 

たとえば、商売を営んでいるは、金融機関に対して商品の仕入れの際に担保を設定しお金を借り、商品が売れたら弁済し担保が消滅することを繰り返していました。

 

それでは毎回、担保設定と消滅を繰り返すのは不便ですので、所有の土地を担保としてその極度額を1億円としてその極度額の範囲まで金融機関からお金を借りることができるようにしました。

 

抵当権との違い、根抵当権の図




このように被担保債権が発生・変動・消滅を繰り返すような場合に、設定されるのが「根抵当権」です。

 

 元本確定前までは、弁済しても根抵当権は消滅しないので根抵当権には「付従性」はありません。

 

極度額

 

根抵当権は不特定の債権を担保するので、その担保の限度額を設定契約にて定めなければならない。


このように定められた担保限度額を極度額といいます。

 

債権者(根抵当権者)は、極度額の範囲内なら元本・利息・損害金も含めて担保することができ、他の債権者に優先して弁済を受けることができます。

 

ここで注意なのが、根抵当権は、利息の最後の2年間に制限されないということです。

 

なぜかというと、根抵当権も抵当権と同様にひとつの目的物に複数設定することができますが、もとから担保される額が決まっているので後順位の根抵当権者は限度額を考慮してから自らの根抵当権設定契約を受けているからです。

 

元本の確定

 

根抵当権は不特定の債権を担保とすることができ、お金を弁済したからといって根抵当権が消滅するわけではありません。

 

なので、期日を定める等して被担保債権の特定をし返済金額を確定しなければなりません。


これを「元本確定」といいます。

 

元本はさまざまな原因で確定します。


一覧表でまとめました。

 

元本の確定原因
確定期日の定めあり ①確定期日の到来
確定期日の定めなし 根抵当設定者からの確定請求 根抵当設定時より3年経過後、請求できる。
確定請求後2週間で確定する
根抵当権者からの確定請求 いつでも元本確定ができ、請求時に元本が確定する
根抵当権者自身による競売・差押え等
第3者による抵当不動産に対する競売手続きの開始、等

 

根抵当権の内容の変更

 

元本確定期日の変更・被担保債権等の変更・極度額の変更については、元本確定前なのか後なのかで変わります。

 

元本確定期日の変更

 

元本の確定期日は定めることも、定めないこともできます。

 

定める場合は、設定当事者が定めた日又は変更した日から5年以内で定めなければなりません。

 

確定期日は契約の存続期間の有無によらず、また後順位抵当権者の承諾がなくても変更することができます

 

被担保債権等の変更

 

被担保債権の変更は、元本の確定前なら登記をなすことによってすることができます。

 

被担保債権の変更をしても、後順位抵当権者などの利害には影響がないため、後順位抵当権者などの第三者の承諾なしですることができます。

 

たとえばに対するa債権を被担保債権として所有の土地に根抵当権を設定してもらいました。その後Aは新たにBに対してb債権を有したので、b債権についても根抵当権を設定してもらいました。

 

被担保債権の変更

 

上の図の場合、A元本確定前ならb債権を被担保債権にすることができ、そのことに関して後順位抵当権者(C)の承諾は必要ありません。

 

極度額の変更

 

極度額は、元本の確定の前後関係なく変更することができます。

 

しかし、極度額が変更されると後順位抵当権者などの第三者に影響が及ぶため、極度額の増額は、これらの利害関係人全員の承諾があるときに限って変更することができます。

 

極度額の変更

 

細かいのでここまでは覚えなくてもよいですが、極度額の減額は承諾なくても変更することができます。

 

被担保債権の譲渡

 

元本確定前の根抵当権には、随伴性」はありません。

 

随伴性」とは、被担保債権がが他人に移転すれば、担保物権も原則としてそれに伴って移転する性質のことを言います。

 

元本確定前の根抵当権に随伴性はない



なので上の図のように、に根抵当権により担保されているa債権を譲渡されても、根抵当権はそれに伴って移転しないのでが譲渡されたa債権は無担保の債権となります。

 

根抵当権の内容変更のまとめ

 

根抵当権の内容変更のポイントは一覧表でまとめています。

暗記する際の参考にしてください。

 

  確定前 確定後 利害関係人の承諾
被担保債権の範囲の変更 できる できない 不要
債務者の変更 できる できない 不要
確定期日の変更 できる できない 不要
極度額の変更 できる できる 必要
順位の譲渡 できない できる 不要