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≪宅建試験対策≫不法行為の成立要件

「債権」は、宅建の本試験では、毎年4問出題されます

範囲も広く、論点もたくさんあるのでいくら対策しても見たことない問題が出ることもあります。

難易度も幅が広いので、勉強してもなかなか点数が伸びにくい分野です。

しかし、丸々捨ててしまったら他の教科での挽回が厳しくなるので、易しい問題は得点できるように勉強しておきましょう。

 

 

不法行為の成立要件

 

不法行為」とは、違法(故意・過失)に他人の権利、利益または身体を侵害した者に損害賠償責任を負わせることによって、被害者が被った損害の公正な補填を図ることを目的とする制度のことをいいます。

 

不法行為が成立する要件は、下記の4つを満たしている必要があります。

 

  1. 一般的に行為者に責任能力があること
  2. 故意または失によること
  3. 他人の権利(利益)を違法に侵害したこと
  4. その行為と損害が発生したことの間に因果関係があること

 

不法行為とは?

 

不法行為」とは、違法(故意・過失)に他人の権利、利益または身体を侵害した者に損害賠償責任を負わせることによって被害者が被った損害の公正な補填を図ることを目的とする制度のことをいい、「違法行為」ということもできます。

 

不法行為も、「契約」と同様に債権の発生原因の一つです。

 

損害賠償請求権を認める行為は、「不法行為」のほかにも、「債務不履行」や「担保責任」があります。

 

損害賠償請求権を認める行為

 

不法行為には、過失責任主義に基づく「一般的不法行為」と無過失責任主義に基づく「特殊的不法行為」に分かれます。

 

不法行為の成立要件

 

一般的不法行為が成立するためには、下記の4つを満たしている必要があります。

 

  1. 一般的に行為者に責任能力があること
  2. 故意または過失によること
  3. 他人の権利(利益)を違法に侵害したこと
  4. その行為と損害が発生したことの間に因果関係があること

 

ひとつずつ詳しく解説していきましょう!

 

①一般的に行為者に責任能力があること

 

行為者とは、不法行為を行った「加害者」を指します。

 

責任能力がある責任能力者とは、制限行為能力者ではない者とイコールではありません。

 

「責任能力」とは、自己の行為が不法な行為であって法律上の責任が生じることを理解できる能力をいいます。

 

なので、精神障害により行為の責任を弁識する能力を欠く者は原則として責任能力がないと判断されます。

 

第713条

精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。

ただし故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。

 

判例で満11歳の行った不法行為につき責任能力ありと判断したケースもあり、いくら未成年でも自己の行為の責任を弁識する能力があれば、損害賠償責任を負う必要があります。

 

第712条


未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

 

制限行為能力者がした行為でも、不法行為として成立するので注意が必要です。

 

②故意または過失があること

 

第709条


故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

この故意または過失は、損害賠償請求権者である被害者が立証しなければなりません。

 

③他人の権利(利益)を違法に侵害したこと

 

上記の同条(第709条)に記されている”法律上保護される利益”を侵害する行為は、不法行為と判断されます。

 

法律上保護される利益とは、一般的に所有権、担保物権、債権、知的所有権、人格権など幅広い権利に適応されます。

 

④その行為と損害が発生したことの間に因果関係があること

 

損害賠償請求権を有する被害者が受けた損害が、行為者(加害者)がした行為について因果関係がなければ、行為者のした行為は不法行為とみなされません。

 

発生した損害は「財産的損害」と「精神的損害」の2種類に分けれます。

 

  • 「財産的損害」:直接の被害額(積極的損害)と不法行為がなければ得られたはずの利益(消極的損害)のこと
  • 「精神的損害」:被害者の精神的苦痛のこと

 

不法行為が成立しない場合

 

「正当防衛」と「緊急避難」の場合は、損害賠償の責任を負いません。

 

第720条

1項 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。

ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。


2項 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

 

  •  正当防衛:他人の不法行為に対して自己や第三者の権利あるいは法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をしてしまうこと。
  • 緊急避難:他人の物から生じた急迫の危難を避けるために行われた侵害行為のこと