宅建試験対策法を公開!宅建合格の鍵

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宅建合格の鍵

≪宅建試験対策≫地役権とは?

 

「物権」は毎年2問前後出題されています。

物権は民法の中でも、最も難しいと言われています。
本試験合格を考えると、民法では14問中8問は正解しておきたいところです。
必ず出題されている「抵当権」を確実に正解するため、「抵当権」だけに絞って勉強することもありだと思います。
しかし、ほかの項目も絶対正解しておきたい分野の基礎知識になるため確実に合格したい人は学習しておくべきです。

 

 

地役権とは?

 

用益物権」とは、他人の土地をある目的で利用(利用収益)することのできる物権です。

 

用益物権には、「地上権」「地役権」「永小作権」「入会権」の4種類があります。

 

各物権の種類 位置づけ

宅建試験では、「地上権」と「地役権」しか問題論点に関わってこないので、この2つを勉強します。 

 

地役権」とは、自己の土地の便益のために、他人の土地を利用するための権利です。

 

 地役権を設定する場合に、他人の土地(利用される土地)を「承役地」、自己の土地(利用する土地)を「要役地」といいます。

 

地役権には、「付従性」と「不可分性」があります。

 

 

地役権(ちえきけん)

 

「地役権」とは、自己の土地の便益のために、他人の土地を利用するための権利です。


「通行地役権」・「引水地役権」・「眺望地役権」・「日照地役権」などがあります。

 

要役地(ようえきち)・承役地(しょうえきち)

 

 地役権を設定する場合に、他人の土地(利用される土地)を「承役地」、自己の土地(利用する土地)を「要役地」といいます。

 

1番一般的な「通行地役権」で説明します。

 

要役地・承役地

上の図では、が要役地、が承役地です。


ごちゃごちゃになりやすいですが、


「通行するために地役権が必」=役地
「地役権をる側」=役地


と覚えると覚えやすいかもしれません。

 

なので、この場合要役地所有者の「地役権者」で承役地所有者の「地役権設定者」になります。

 

なお、この要役地と承役地は、隣接している必要もなく、その遠近を問いません。

 

なので下の図のよう場合でも、の通行地役権を取得することができます。

 

地役権取得

 

この場合、の土地は要役地でもあり、承役地でもあります。

 

地役権の性質

 

地役権には、「付従性」と「不可分性」があります。


この言葉は抵当権でも出てくる大事な用語ですので覚えておきましょう。

 

付従性・不可分性の詳しい解説はこちらです→担保物権の性質 

 

付従性(ふじゅうせい)

 

民法第281条


1項 地役権は、要役地の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。
ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りではない。

 

地役権は自己の「土地」の便益のために設定します。


なので、下の図のようにが甲土地を譲渡しても通行地役権は甲土地に残ります。

 

地役権の付従性

 

地役権者がからに変わったということになります。

 

民法第281条


地役権は、要役地から分離して、譲り渡し、又は他の権利の目的にすることができない。

 

先ほども言いましたが、地役権は自己の「土地」の便益のために設定します。


要役地とセットで地役権を持っていて、はじめて意味があります。

 

地役権の付従性2項

 

上の図のようには甲土地を譲り受けることなく、地役権のみを譲渡されても意味がありません。


地役権だけ譲り受けるということは、の土地を通る必要もないのに、権利だけもらうということです。


なので、地役権は要役地と分離して譲渡することはできません

 

 

不可分性(ふかぶんせい)

 

民法282条


1項 土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることはできない。

 

共有で土地を所有している場合、自分の持分に応じて処分することができました。

 

しかし、地役権は、土地の便益に供するための権利であり人の便益に供するための権利ではありません

 

なので、土地全体の便益のために地役権が設定されているので、個別に持分に応じてと地役権を処分することはできません

 

★共有について詳しくはこちら

 

民法第282条


2項 土地の分割またはその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部について存する。ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りではない。

 

要役地が分割

要役地が分割、または一部譲渡された場合、地役権は各部分のために存在します。

 

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承役地が分割、または一部譲渡された場合、地役権は各部分の上に存在します。

 

地役権の取得

 

地役権は地役権設定契約により取得するのが一般的です。

 

しかし、要役地の譲渡や相続・時効によっても取得できる場合があります。

 

地役権の時効取得の要件は下記の3つです。

 

  1. 継続的に行使されている(ずっと使われている)
  2. 外観上に認識することができる(だれが見ても継続的に使用していることがわかる)
  3. 要役地所有者が通路を開設している(通行地役権の場合の判例)

 

地役権の時効取得は、時効の問題と絡めて出題される可能性があります

 

一応、時効についてわからない!って方は下の記事で時効について分かりやすくまとめています!

 

taxtukennsi.hatenablog.com

 

 

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