≪宅建試験対策≫委任契約とは?委任と代理
「債権」は、宅建の本試験では、毎年4問出題されます。
範囲も広く、論点もたくさんあるのでいくら対策しても見たことない問題が出ることもあります。
難易度も幅が広いので、勉強してもなかなか点数が伸びにくい分野です。
しかし、丸々捨ててしまったら他の教科での挽回が厳しくなるので、易しい問題は得点できるように勉強しておきましょう。
委任契約とは?委任と代理
「委任」とは、法律行為などの事務処理を他人に依頼(委託)する契約のことをいいます。
委託した者を「委任者」、委託を受けた者を「受任者」といいます。
委任契約は原則として無償契約であり、委任者が委託し受任者がこれを承諾することによって成立する諾成契約です。
委任契約とは?
民法 第643条
委任は,当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し,相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
「委任」とは、法律行為などの事務処理を他人に依頼(委託)する契約のことをいいます。
委託した者を「委任者」、委託を受けた者を「受任者」といいます。
委任契約は、民法で定める13種類の典型的な契約の一つです。
例えば、Aは自己の不動産を所有しています。
Aはこの不動産を売りたいので、仲介人Bに「この不動産を買いたい人を探して!」と委託し、仲介人Bはこれを承諾しました。
このように、一方が相手方に法律行為を依頼する契約行為を「委任」といいます。
委任契約は法律行為を他人に依頼するわけなので、委任者と受任者の信頼関係を基礎としての規定されています。
委任契約の性質
委任契約は、報酬支払いを要素としていない原則として無償契約です。
なので、受任者のみが義務を負担し、委任者が無償で利益を得ることになるので片務契約でもあります。
原則があれば例外もあり、特約で有償契約とすることもできます。
報酬支払特約を約定すれば、委任者にも報酬支払の義務が発生するため双務・有償契約となります。
委任契約は特約の有無にかかわらず、委任者の委託の意思表示と受任者のこれの承諾の意思表示だけで成立するので、諾成契約です。
契約の性質分類について詳しい解説はこちらです。→契約の分類
委任契約の性質をまとめました。
原則、無償契約(報酬支払特約は有効)
原則、片務契約(報酬支払特約がつけば双務契約)
諾成契約
委任と代理
委任契約は、法律行為などの事務処理を他人に依頼(委託)する契約です。
これは法律行為を依頼し他人に法律行為を施行させるという点で「代理行為」と似ています。
現実的にも、委任契約を結んだ受任者に委任者の代理権を授与することが多いです。
たとえば、不動産所有者のAが仲介人Bにこの不動産の売却を依頼し委託契約を締結し、買主Cを探してきました。
不動産の売買はAC間の契約ですが、AB間が委任契約のみだったら仲介人Bには不動産所有権をAからCに移転する権限はないので、この不動産所有権はまずAからBに移した後、Cに移転させることになります。
しかしこれでは現実的なロスが大きいため、AB間の委任契約の際に代理権を授与すれば、仲介人Bが「売主Aの代理人」としてAC間の売買契約を締結させれば、代理人の行為の効力は「直接本人に帰属」するため、AからCに直接所有権を移転させることができます。
このように実際上は委任契約と代理は同時に行うことが多いです。
しかし、お互い別の制度であると理解しておいてください。
代理制度について詳しい解説はこちらです。→代理制度絶対要点まとめ